3匹のかわいいおおかみ

 

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不動産屋さんと値段交渉してた頃のこと。

「絵本と珈琲とアパート ペンネネネムin the forest」というプランで当初考えていました。

で、本屋さんで不動産経営の本を読んでみました。

どの本にも共通していることはアパート経営はよっぽどの経営センスがないと大損こくよみたいな内容でした。

すぐにアパート経営は諦めることにしました。

でも一冊、今のぼくの状況に役立ちそうな一文が書いてある本がありました。

「不動産屋に嫌われる覚悟で相場の半額以下の指値で格安物件をゲットせよ」

要は安値で買って、自分で内装工事して、相場より安い賃料で貸すという具合です。

ぼくは思い切ってこの須磨の物件で半額指値を不動産屋さんに投げてみました。

タイミングがよかったのかすんなり通りました。

同時にそのとき、これ、もしかしたらもう少し下がるかも?とそんな直感が働きました。

ぼくは大バクチの気持ちでさらに1/3の値段にしてほしいとのメールを打ちました。

こんな文面です。

「○○不動産○○様

いつもお世話になります。

さて、須磨の件なんですが、いろいろ工事のことなどを考えるとこの半額でもやはり厳しいところです。

大変恐縮なんですが、1/3の価格でオーナーさんにご相談いただけないでしょうか?それが難しいとのことでしたら今回は諦めます。ご面倒お掛けしますが何卒よろしくお願い申し上げます」

5分ほど迷って送信ボタンをおしました。

 

翌日、不動産屋さんから返信がきました。

こんな文面でした。

「ネネム様

いつもお世話になります。

さて、さっそくですが価格の件オーナーに確認を取りました。

やはり開きが大き過ぎて戸惑っておられました。今のところまったく対応できないご様子でした。

交渉の土台にすらのりませんでした。もし今後処分がうまく進まず、オーナーがさらに値引きするご意向がでた場合はご連絡させていただきましょうか?」

 

お店のスタッフに聞かれました。

スタッフ「店長、この前言ってた須磨の家はどうなったんですか?」

これまでの経緯を説明してスタッフにそのメール画面を見せました。

スタッフ「あらら、店長やっちゃった感じですねえ?なんか怒ってるというより呆れてるって文面ですよこれ。だいたい1/3の値段って欲張りすぎでしょ?」

ぼく「…そうやったらうまいこといくって本に書いとってんもん・・・。でも、なんとなく、またいつか、半年後とかに買い手がなかったら連絡あるような気がすんねん。さすがに1/3とまではいかんにしても」

スタッフ「考え甘くないですか?。交渉の土台にすらのってないんですよ」

ぼく「・・・」

スタッフ「でもよかったんじゃないですか?やっぱり須磨は遠いし、都会の方がいいですよ」

ぼく「いっとくけど須磨そんなに田舎ちゃうで?それに森の中でしかオレは店やる気ないから、どうしても郊外郊外になってくるわけよ」

スタッフ「都会に木植えて森っぽくするのではダメなんですか?」

ぼく「簡単に言うなよ。そんな金あるか」

スタッフ「ま、でも逆によかったじゃないですか。これをきっかけに都会で探せば」

ぼく「だからそんな田舎ちゃうっちゅうねん」

スタッフ「店長、昼から予定ないんやったら、中崎町あたりで空き物件でも探しに行ったらどうですか?」

ぼく「やかまし」

 

二日後、携帯がなりました。不動産さんからです。

ぼく「もしもし、どうされました?」

不動産屋さん「ネネムさん、須磨の件ですけど、さっきオーナーさんから連絡ありまして、その金額でOKとのことです」

ぼく「えー!!めっちゃうれしいですけど、なんでまた?」

不動産屋さん「なんでも息子さんの商売の関係で緊急で現金が必要になったそうなんですよ」

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3匹のこぶたが作った家をオオカミが壊しに来ます。

しかし、こぶたたちはレンガの家でオオカミを退治するのでした。

 

 

こぶたはオオカミを呼び出しました。

こぶた「電話あってん」

オオカミ「ん?」

こぶた「不動産屋さんからで。あの値段で契約するって」

オオカミ「えー!?ほんまですかあ!?絶対無理やと思ってた・・・」

こぶた「みてみい!俺の言う通りやろがっ!だからまた連絡あるって言ったやろ!な?半年後どころか2日やぞ!

たったふ・つ・か!」

オオカミ「ええ~信じられないですねぇ・・・」

こぶた「なあ、見たかこの俺の交渉力!ネゴシエーションパワーを!え?」

オオカミ「・・・でもあの文面のかんじやと全然無理そうでしたけどねえ?」

こぶた「行間を読め!行間を。完全に無理とは言ってなかったやろ。少し余地がある感じわからんかったか?まあ君らみたいななんも考えてへんアルバイトフゼーには、その辺の微妙な感じはわからんやろねえ。まあ経営者たるもんこれぐらいの交渉は当然やわね。ガハハハ」

オオカミ「・・・」

 

こぶた店長は完膚なきまでにオオカミバイトを叩きのめしましたとさ。

 

 

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3匹のかわいいオオカミが作った家を大ブタが壊しに来ます。

大ブタは鼻息、ハンマー、ドリル、ダイナマイトで容赦なくオオカミたちの家を破壊します。

しかし、かわいいオオカミたちは知恵を絞って大ブタに壊されないある材料の家を思いつくのでした・・・。

ブタとオオカミの立場が入れ替わる現代版3匹のこぶた「3匹のかわいいおかみ」です。

 

 

お店に大きな段ボールが届いていました。

オオカミが大ブタに不思議そうに聞いてきました。

オオカミ「店長、なんかですかコレ?」

大ブタ「それワークブーツ。須磨で庭作業するのに買ってん」

オオカミ「えらいたのみましたねえ?」

大ブタ「まあ、みんなにもちょっと手伝ってもらおうかと思ってスタッフ分も買ったんやけど」

オオカミ「はあ…でもこんなにいります?」

段ボールにワークブーツがぎっちり詰まっていました。

大ブタ「うわ!やってもーた。3個のつもりが9個になってる・・・」

オオカミ「返品できるんじゃないですか?」

大ブタ「ちょ、ちょっとやっといてくれる?」

オオカミ「えー?私がやるんですか?自分でやってくださいよ」

大ブタ「ごめん、頼むわ。オレ、そういうの苦手やねん…」

オオカミ「…交渉得意なんじゃなかったでしたっけ?」

大ブタ「え?まあ、あれやはこれも一つの勉強やと思ってですねえ、ここはひとつ」

オオカミ「勉強って。いやなこと押し付けてるだけじゃないですか」

大ブタ「もうわかったよ。いい、いい。自分でやるからえーよ。ふん」

 

交渉の交渉が決裂してしまいました。

昨日はコブタ、今日は大ブタ。

なかなか立場の安定しないブタテンチョでございます・・・bubu。